窃盗罪

2025.08.15

  • #財産事件

窃盗罪

条文

(窃盗)
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

成立要件

窃盗罪は、故意に他人の占有する財物を、権利者の同意なく自己または第三者の占有下に移すことで成立します。

ここでいう「財物」には、現金や物品だけでなく、商品券や有価証券などの経済的価値のある物も含まれます。 また、窃取行為は「こっそり盗む」場合だけでなく、万引き、自転車や車の持ち去り、置き引きなど多様な形態を含みます。

不起訴処分獲得に向けた弁護活動

認め事件(被疑事実を認めている事件)の場合

被疑事実を認めている場合、不起訴処分の可能性を高めるうえで最も重要なのは被害者との示談成立です。

  • 被害品の返還や代金弁償
  • 被害金額に見合った慰謝料の支払い
  • 謝罪文の作成と送付

こうした対応を通じて被害回復を図り、被害者の処罰感情を和らげることが、検察官の起訴判断に大きく影響します。

さらに、再発防止のために以下のような取り組みを行います。

  • 生活環境の改善(勤務先や住居の安定化)
  • 家族や職場による監督体制の整備(身元引受書の提出)
  • 必要に応じたカウンセリングや更生プログラムの受講

否認事件(被疑事実を認めていない事件)の場合

否認事件では、ご本人からの聞き取りを十分に行った上で、現場の確認や被害者等の事件関係者からの聴取や防犯カメラ映像の保全を行うことで、ご本人にとって有利な証拠を集めることが不起訴処分獲得のため重要となります。

こうした活動により、窃盗の事実が存在しないことや、故意がなかったこと(=犯罪が成立しないこと)を主張していきます。また、捜査機関の手続きに違法や不備がないかを検討し、違法収集証拠の排除や手続違反の指摘を行うこともあります。

いずれの場合も、早期に弁護士が関与し、証拠保全や交渉を開始することが、不起訴処分獲得の鍵となります。